こども防災協会のキャンプでのアクティビティ

こども防災協会の鹿島 美織です。

こども防災協会のキャンプでは、季節や場所によってさまざまなアクティビティを実施しております。

メインとなるキャンプのアクティビティはそのように異なるのですが、
そのアクティビティごとに見合った防災に関連するようなクイズを
キャンプ中に行っています。

こども防災協会の防災クイズ

この防災クイズのアクティビティは「チェイシングゲーム」というアクティビティで
ほぼ毎回キャンプで取り行っています。

これはこども防災協会で独自で作成しているため
キャンプによってさまざまな種類で実施します。

どのようなクイズなのか、別のブログでも少しずつご紹介をさせていただいているのですが
こちらでも紹介していきたいと思います。

ちなみにタイトルの「ラスボス」は、キャンプ中に呼ばれる鹿島のあだ名です(笑)。
スタッフから発信されたこのあだ名は、子どもたちにも覚えやすようで
「ラスボス~!」と呼ばれています。

防災クイズ①水難事故のクイズ

それでは問題です。

【問題】
低体温症になったとき、どうするのが良い?

A あったかいコーヒーを飲む
B お風呂に入る
C おなかや背中をあたためる

川や海、プールで泳いでいるとき、休憩を取ることを忘れて入ったままで遊んでいると、低体温症になってしまうことがあるから気を付けましょう。

また、水難事故に遭ったとき、救助が来るまでの間水の中につかりっぱなしで、低体温症になってしまうことが、あたたかくなっている夏の海でも起りえます。

体が冷え切ってしまっているとき、真っ先にするとよいことはどれでしょう?
この中にはやってはいけない命に係わる危険な行為もあります。
不正解を回避せよ!

防災クイズ①水難事故のクイズの答え

それでは正解を発表します。
低体温症の時に真っ先にすることととは・・・

Cの「お腹や背中をあたためる」です。

体が冷え切っているときにはお風呂に入って体を温めたり
暖かい飲み物を飲んだりすることがいいと思いませんか?

実は低体温症になってしまったときにお風呂や暖房などで急激に体を温めると、「アフタードロップ」と呼ばれる現象が起きます。

アフタードロップとは、抹消組織の循環が再開し、冷たくなっていた血液が体の深部へ流れ込むと、体幹の温度を下げ、最悪の場合は死に至る現象です。中核体温が著しく低下すると、心肺停止を引き起こすのです。

また、コーヒーのようなカフェインが入った飲み物飲ませると、血管の収縮が起こり手足が冷えやすくなってしまいます。利尿作用もあるため、水分を排出する際に、体温を逃してしまう可能性があります。

危険を回避するためにしなければいけないこと

低体温症になってしまった、もしくはなっている人を見つけたときは
まず濡れている服を着替えさせ、毛布で体をくるみましょう。

また、体幹の温度を少しずつあげるために、
湯たんぽやホッカイロなどでおなかや背中、胸部、首周りをゆっくりと温めていきます。
湯たんぽやホッカイロが直接体に当たらないように注意しましょう。

四肢(手足)を温めるのは危険です。
お風呂に入った時と同じく「アフタードロップ」が起こり
心肺停止の恐れがあります。

温めるときは「体幹」!

そして熱すぎないあたたかい飲み物を少しずつ飲み、医療機関へ。

低体温所は命に係わる危険な状態です。
人間の体温は35度を下回ると、低体温症と診断され
初期症状は「シバリング」と呼ばれる、体を激しく震わせたり
歯がカチカチなるほどの寒気が止まらなくなります。

そしてだんだんと思考がぼんやりし、動作がおそくなり、判断力が失われていきます。そしてどんどんと昏睡状態に陥り、31度を下回ったくらいから、死に至るおそれが出てくるのです。

楽しい水遊びですが、しっかりと休憩をとって体をあたため、
低体温症を回避しましょう。

まとめ

いかがでしたか?
今回のクイズは簡単だったでしょうか???

子どもたちの中には、「お風呂に入る」や「コーヒーを飲んであたためる」と言った声も聞かれていました。大人でも不正解だった方もいらっしゃるのではないでしょうか。

もし子どもたちの身近にこれが起きたとき、正しい判断ができるよう、いのちを守る、いのちを救える子どもを育めるようにクイズを考えていけたらいいなと思います。

ラスボスからの挑戦はまだまだ続く・・・。

by こども防災協会 鹿島 美織