こども防災協会の鹿島美織です。
今年ももうあと1週間足らずとなりました。
本格的に冷え込んできて、寒さをしのぐ対策をしっかりとしないといけない気温になってきましたね。
前回の記事でお伝えしましたが、寒い時期になると「ヒートショック」という言葉をよく聞くようになります。
それと同時に「低体温症」の恐怖もあることを知っていただきたく、
今回は低体温症についてお話ししたいと思います!
鹿島(ラスボス)からのアドバイス:低体温症とは
低体温症とは深部体温が35℃以下に低下した状態を指し、
寒冷な環境に長時間いると起こります。
代謝によって発生する熱と、体から逃げていく熱のバランスが取れなくなり
体全体の温度が低くなってしまいます。
その場面はさまざまあり、山岳遭難時に起きることが多いとイメージされる方も多いと思いますが
夏場、川や海で長時間遊んでいたりしても起こることがあります。
また、冬場ではなんと自宅の室内で低体温症となり
救急外来に運ばれる方が増えるというのです。
日本救急医学会のデータでは、73%の患者さんが
低体温症を室内で発症しているそうです。
とくに高齢者に多く、65歳以上が6割を超えているそうです。
そして高齢者でなくても、例えば飲酒状態で布団をかけず寝てしまったりした人や
やせ型の人やこどもなど体重が軽い人は熱が逃げやすいため低体温に弱いようです。
鹿島(ラスボス)からのアドバイス:低体温症の症状とは
初期症状では、シバリングと呼ばれる激しい震えが起こり歯がカチカチ鳴ったり
思考や動作が遅くなり、判断力が低下していきます。
さらに症状が進むと、シバリングは止まり
昏睡状態に陥ってきます。
心肺や呼吸も低下していき、差詩集的には心臓が停止してしまうのです。
体温が低くなるほど死亡のリスクは増加していき
体温が31℃を下回ると死に至るリスクは増えていき、死亡例は28℃を下回った方が大半を占めるそうです。
また非常に怖い状態が
まだ意識があるうちに、体が熱いと感じ服を脱いでしまうというのです。
この症状は低体温症の初期~中期の段階で起こる症状で
寒い環境の中にいると、それ以上の体温低下を阻止しようと
体が体温を上げようとする力が働きます。
この際、外気温と実際の体内温度に温度差が生じ
まるで暑い場所にいるかのような錯覚に陥って服を脱いでしまうというのです。
法医学では、アドレナリンによる錯覚や、温度調整中枢の麻痺による以上代謝とも言われています。
これを「矛盾脱衣」というそうで、例えば雪山で凍死してしまった方が
裸の状態で発見されるなど「なぜ?」という症状がおこるそうなのです。
鹿島(ラスボス)からのアドバイス:低体温症の応急処置
低体温症の応急処置は、まず体を温めなければいけません。
以前、クイズの記事にも詳しくご紹介しましたが
低体温症では手足を温めるのは非常に危険です。
↓クイズ記事はこちらから↓
ラスボスからの挑戦状!正解?不正解?防災クイズ①(こども防災協会 鹿島 美織)
手足を急激に体を温めると、「アフタードロップ」と呼ばれる現象が起きます。
アフタードロップとは、抹消組織の循環が再開し、冷たくなっていた血液が体の深部へ流れ込むと、体幹の温度を下げ、最悪の場合は死に至る現象です。中核体温が著しく低下すると、心肺停止を引き起こすのです。
この現象はお風呂や暖房などで急激に体を温めたときも起こるので注意しましょう。
低体温症になってしまった、もしくはなっている人を見つけたときは
まず濡れている服を着替えさせ、毛布で体をくるみましょう。
また、体幹の温度を少しずつあげるために、
湯たんぽやホッカイロなどでおなかや背中、胸部、首周りをゆっくりと温めていきます。
湯たんぽやホッカイロが直接体に当たらないように注意しましょう。
そして医療機関へ。
もし自身の体に異変が起こってしまったときには
衣類や布団で体をあたため119番を!!
体が動くのであればまずは助けを呼んでください。
鹿島(ラスボス)からのアドバイス:低体温症まとめ
低体温症は症状が悪化するとそのまま意識が遠のき、最悪の場合は死に至る怖い症状です。
普段は暖房を使わない方でも
特に朝晩寒いと感じたら暖房を入れる、湯たんぽや電気毛布を使用する
首周りを温めるなど対策が必要です。
室温は18℃以上に設定されていることが良いとされていますので
温度計を室内に置いてチェックしてみるもの良いですね。
寒い季節、体を壊さないよう日頃から気を付けていきましょう。
こども防災協会 鹿島 美織