みなさんこんにちは。こども防災協会です。
本日も災害についての皆さんの学びを深めてもらうための情報提供をしていきますね。
さてさて、最近本当に寒くなりましたね。
朝晩は道路も凍るくらい寒い日が続いています。
場所によっては雪もちらついているようです。
そんな本日のテーマは「雪崩(なだれ)」です。
雪崩は雪の多い地域だけではなく、スキー場や低い山でも起こりうる大変危険な災害です。
本日は雪崩についてお話します。
雪崩とは?
最初に、みなさんは雪崩とはどういうものかご存知ですか?
雪崩とは「山腹に積もった雪が重力の作用によって斜面を崩れ落ちることをいいます。雪崩には厳冬期に多く起きる表層雪崩と春先に多く起きる全層雪崩があります。特に表層雪崩は、速度が速く破壊力が強大で被害範囲も広くなります(国土交通省ホームページより)」
簡単に言えば、山に積もったたくさんの雪が一気に流れ込んでくる災害です。
雪なんてそんなに大したことないだろう、、、、
なーんて思っているそこのあなた!
とんでもない勘違いをしています。
雪の重さは雪質にもよりますが、1立方メートルあたり200kgにもなります。
それがとんでもない大きさで襲ってくるんですから巻き込まれたら命にかかわるさいさんじになってしまいます。
雪崩の季節はこれからだ!
みなさんは雪崩が発生しやすい季節をご存知ですか。
国土交通省の発表によると、雪崩は1~3月を中心に発生しています。
(国土交通省資料)
雪崩は非常に危険な災害で死者・行方不明者を伴う被害も起きています。
雪崩災害はスキー場や観光地といった様々な場所で起こっています。
雪崩はどんな時に発生しやすいのか
雪崩は一定の条件下で起こりやすいことがわかっています。
その条件を1つずつ見ていきましょう!
①急斜面で吹き溜まりが起こりやすい場所
②あらかじめ積雪があり、加えて気温が低い時にかなりの積雪があった場合
③山腹傾斜地
④気温が上昇する春先
⑤斜面に積雪の亀裂が発生しているとき
いかがでしょう。
雪崩が起こりやすい状況は私たちの身近にあることが分かりますね。
この条件に注意しながら雪崩の対策を練ることが必要です。
雪崩の前兆現象
雪崩がおこる前にいくつかの前兆現象があります。
順番に見ていきましょう!
①雪庇(せっぴ)
山の尾根からの雪が張り出している現象です。張り出した部分が雪のかたまりとなって斜面に落ちることによって、雪崩につながる危険があります。
②巻きだれ
雪崩予防柵から雪が張り出している現象です。張り出した部分が雪のかたまりとなって斜面に落ちることによって、雪崩につながる危険があります。
③斜面が平らになっている
斜面に、もとの地形が分からないほど平らに雪が積もっているときは、表層雪崩が起きる危険があります。家の裏山などは特に注意が必要です。
④スノーボール
斜面をボールのような雪のかたまりがころころ落ちてくる現象です。これは雪庇や巻だれの一部が落ちてきたもので,雪崩につながる危険があります。スノーボールが多く見られるときは特に注意が必要です。
⑤クラック
斜面にひっかき傷のような雪の裂け目が現われる現象です。これは、積もっていた雪がゆるみ、少しずつ動き出そうとしている状態です。その動きが大きくなると全層雪崩が起こる危険があります
⑥雪しわ
ふやけた指先のシワ状の雪の模様が現われる現象です。これは、積もっていた雪がゆるみ、少しずつ動き出そうとしている状態です。積雪が少なくても、全層雪崩が起こる危険があります。
万が一、雪崩発生の場に遭遇したら?
万が一、雪崩発生の場に遭遇したら、、、
そんな怖いこと考えたくもありませんが、万が一の災害への意識を高めることが防災につながります。
ここでは万が一雪崩に遭遇してしまった時に備えて対処の仕方を教えますね。
雪崩に遭遇するということは大きく分けて「雪崩が自分の近くで起きた場合」と「自分が雪崩に巻き込まれた場合」の2つに分けられます。
なのでここではそれぞれの場合に分けて対策を考えていきます。
〈雪崩が自分の近くで起きた場合〉
①流されている人を見続けること。
一見すると雪崩に巻き込まれている人を放っておく行為に思えるかもしれませんが、雪崩が収まった後、早急に救助に向かえるように、冷静に流されている人の位置を把握しておくことは大事です。
②雪崩に巻き込まれている仲間が雪崩に巻き込まれた地点(遭難点)と、見えなくなった地点(消失点)を覚えておく。
雪崩に巻き込まれている人がいた時、流されている人を見続けることは大事ですが、もし見失ってしまったら、見失った地点をしっかり覚えておきましょう。救助隊が駆け付けた時その場所が重要な手掛かりになります。
③雪崩が止まったら見張りを立て、遭難点と消失点にポールや木などの目印をたてる。
救助をする際に目印は重要です。
大事なのは雪崩が完全に収まってから目印を立てることです。
自分が雪崩に巻き込まれてはすべてがだいなしです。
④すぐに雪崩ビーコン(無線機)などを用いて、捜索する。
救助を求めても救助隊がすぐに駆け付けてくれるわけではありません。
自分で探せる範囲で雪崩に巻き込まれた人を救助しましょう。
災害に巻き込まれてから72時間が命をつなぎます。
⑤見つかれば、直ちに掘り起こして救急処置を行う。
もし、雪崩に巻き込まれた人が雪の中から見つかった場合、早急に応急処置を取りましょう。
AEDが近くにない場合は心臓マッサージや人工呼吸を行い、少しでも命が助かる処置を行いましょう。
〈自分が雪崩に巻き込まれた場合〉
十分な注意をしていても、予期せぬ事態に遭遇してしまうことも考えなければいけません。
ここでは万が一自分が雪崩に巻き込まれてしまった時の対処法を教えます。
①雪崩の流れの端へ逃げる。
雪崩に巻き込まれてしまうとどんどん雪の下の方に埋まってしまいます。
できるだけ流れの端に逃げて、雪崩に巻き込まれないような対処をしましょう。
②仲間が巻き込まれないように知らせる。
その場にいる全員が雪崩に巻き込まれてしまうと助けを呼ぶこともできません。
なるべく多くの人が雪崩に気づけるようにできるだけ大きな声で雪崩の発生を知らせましょう。
③身体から荷物を外す。
荷物を持っていると雪崩に荷物が巻き込まれて、自分の体も引っ張られてしまいます。
雪崩が発生したら、なるべく身軽な状態にしておきましょう。
④雪の中で泳いで浮上するようにする。
雪崩によって雪の下に流されると救出が遅くなってしまいます。
雪崩に巻き込まれても下の方に流されないよう、冷静に雪の上の方へ泳ぎましょう。
⑤雪が止まりそうになったとき、雪の中での空間を確保できるよう、手で口の前に空間を作る。
雪崩に巻き込まれると雪の重みで窒息してしまう危険性があります。
雪崩の勢いが弱くなってきたら、呼吸ができるよう手で口の前に空間を確保しましょう。
⑥雪の中から、上を歩いている人の声が聞こえる場合があるため、聞こえたら大きな声を出す。
もし、雪の中で身動きが取れないよう様なら、冷静に雪の上に耳を傾け、人の声がしたら大きな声で助けを呼びましょう。
いかがでしたか?
これから雪山に行くことも多くなります。
雪崩は巻き込まれてしまったら命にかかわる災害ですが、適切な知識と対象法を知ることで助かる命もあります。
こども防砂協会では防災キャンプの他に宮城県内の小・中学校に無償出張授業も行っております。
問い合わせフォームよりお問い合わせいただければ、授業内容、時間、日程を調整させていただきます。
こどもたちのいのちと未来を守る活動に少しでもお役に立てれば幸いです。
参考
首相官邸ホームページ
https://www.kantei.go.jp/jp/headline/bousai/setsugai.html#se01
国土交通省ホームページ
www.mlit.go.jp/mizukokudo/sabo/nadare.html